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建設業の構造2026-09-04

「のんびり働きたい人が来ても、困っちゃうじゃないですか」— 弱点を隠さない求人票の話

才木一真 / NOMADENSE 代表

ある社長との商談で、僕はこう言いました。

「忙しすぎて正直休みが少ない、というところも、逆手に取るような求人票の作り方ができます。正直言って、のんびり働きたいなと思ってる人が来られても、困っちゃうじゃないですか」

社長は笑って、こう返しました。「困っちゃう。訴えられても困っちゃいますからね」

この会話に、僕の求人票の考え方がぜんぶ入っています。

求人票はラブレターであり、フィルターである

世の中の求人票には共通点があります。「アットホームな職場です」「やる気のある方歓迎」「頑張り次第で高収入」。

どの会社にも書ける言葉は、どの会社の魅力にもなりません。読んだ人の頭に、何の絵も浮かばないからです。

そしてもうひとつ。全員に良く見せようとした求人票は、合わない人まで連れてきます。 入社して2週間で辞める人。「聞いてた話と違う」と言う人。会社にとって一番の損失は、応募が来ないことではなく、合わない人が入って早く辞めることです。

だから僕は、求人票を「ラブレター」であると同時に「フィルター」だと考えています。来てほしい1人に深く刺さって、合わない人には自然と選ばれない。それが良い求人票です。

弱点は、絞り込みに使える

関東のある電気工事会社では、「休みの少なさ・忙しさ」をあえて求人票でアピールしました。

結果、応募が来ました。しかも「稼ぎたい」層から。

休みより収入を優先したい人は、確かに存在します。その人たちにとって「忙しい=仕事が途切れない=稼げる」は、弱点ではなく魅力です。隠せば嘘になる情報が、出し方ひとつでその会社にいちばん合う人を呼ぶ看板になる。

もちろん、法律上書くべき数字は正しく書きます。嘘は書かない。でも見せ方は設計する。この両立が、求人票の技術だと思っています。

細部が、空気を伝える

もうひとつ大事なのが「細部」です。求人票の仕事は、読んだ人の頭の中に入社後の自分の毎日を上映することです。それができるのは、抽象的な言葉ではなく細部です。

| よくある書き方 | 効く書き方 | |---|---| | アットホームな職場 | 朝7時に倉庫集合、現場へは2人1組で直行。昼はだいたいコンビニ | | 頑張り次第で高収入 | 2年目◯◯万円 → 5年目◯◯万円 → 10年目◯◯万円と年次で開示 | | 安定した会社です | 大手インフラ企業の設備メンテを40年 | | 未経験歓迎 | 最初の1ヶ月は先輩の横で道具の名前を覚えるところから |

関東のある足場会社は、給与を年次で全部開示して、役職手当も階段で全部見せました。応募は安定して月3名。ある保温工事会社(かなりニッチな職種です)は、会社の中身を見せ続けた結果、県外から「社長に惚れた」と朝5時発で通う覚悟の若手が入社しました。

全員に好かれる必要はないんです。届けたい1人に届けば、ニッチでも決まります。

応募者が本当に知りたいこと

応募を迷っている人の頭の中には、口には出さない不安が並んでいます。

  • どんな人が働いてるんだろう。怖い人ばかりでは
  • 未経験の自分でもやれるのか
  • 実際いくら稼げるのか
  • プライベートはあるのか
  • この会社、続くのか

求人票とホームページの仕事は、この不安に先回りして答えることです。ある会社では、若手社員の「自分は中卒ですが、この仕事で頑張っています」という記事を載せました。それを読んだ同じ境遇の若者が「僕もなれるかな」と応募して、入社しました。

誰かの正直な言葉が、次の誰かの勇気になる。求人票って、そういうものが書ける場所だと思うんです。


NOMADENSEは、建設業専門の「黒子」です。 求人票の作成から応募者対応まで、実務ごと引き受けます。「うちの弱点、武器になるのかな」と思ったらお問い合わせへ。診断だけでも歓迎です。

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