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建設業の構造2026-09-04

一人親方から「会社」になるまでの5段階。ほとんどが4段目で止まる理由

才木一真 / NOMADENSE 代表

「うちはまだ会社って呼べるようなもんじゃないよ」

社長たちと話していると、この言葉をよく聞きます。登記上は立派な株式会社。従業員も10人いる。それでも本人は「まだ」と言う。

最初は謙遜だと思っていました。でも、たぶん違います。社長たちは、自分の会社がどの段階にいるか、正確に分かっているんだと思います。

独立から会社までの5段階

職人が独立してから「会社」になるまでの道を、僕なりに整理するとこうなります。

| 段階 | 状態 | この段階の壁 | |---|---|---| | ① 雇われ職人 | どこかの会社で腕を磨く | 収入に天井を感じ始める | | ② 一人親方 | 独立。1人で仕事を請ける | 働いた日数しか稼げない。ケガ=収入ゼロ | | ③ 人を使う親方 | 2〜5人の職人を使う | 自分も現場に出ながら、給料日と支払いに追われる | | ④ 法人化 | 株式会社にする | 保険・経理・書類が一気に増える。でも事務員はいない | | ⑤ 会社 | 社長が現場に出なくても回る | ここに到達できる会社は少ない |

登記上は④で会社です。でも、実態として「会社」と呼べるのは⑤——つまり社長がいなくても現場が回るようになったときなんじゃないかと思うんです。

そして、僕が出会う会社のほとんどは、④で止まっています。

なぜ④で止まるのか

法人にはなった。人も10人前後いる。仕事もある。むしろ断っている。

それでも社長は毎日現場に出ていて、夜と週末に見積もりと請求書を書いている。

なぜか。⑤に進むために必要な仕事——求人票を書く、応募者に返信する、ホームページを直す、帳簿をつける、現場を任せられる人を育てる——が、全部「現場の外」にあるからです。

実際にある配管工事会社の社長が、こう言っていました。

「職人は現場での作業は得意なんだけど、打ち合わせや段取りといった管理業務は苦手な傾向があって」

これ、すごく正直な言葉だと思います。社長自身も元・職人です。現場は誰にも負けない。でも会社を次の段階に進める仕事は、一番苦手で、一番やりたくなくて、一番時間がないことだった。

建設業の売上は「人数×日数」で決まる

もうひとつ、構造の話をさせてください。

建設業のお金の稼ぎ方は、突き詰めると2つしかありません。「1人1日いくら」で人を出すか(常用)、「この工事一式でいくら」で請けるか(請負)。どちらにしても、人が増えないと売上が増えない商売です。機械やソフトでは代わりになりません。

つまり「採用できない」は、そのまま「成長できない」を意味します。

ある配管工事会社は、社員13名で「20人分の仕事量」を回していると言っていました。仕事はある。断ってさえいる。売上の上限を決めているのは、受注ではなく人数でした。

④と⑤の間の壁の正体

まとめると、④で止まる理由はこうなります。

  • ⑤に進むには人が要る(管理を任せられる人、現場を増やせる人)
  • 人を採るには、求人・HP・応募対応という「現場の外の仕事」が要る
  • その仕事をやれるのは社長だけ。でも社長は現場にいる

ぐるぐる回って、結局「社長の時間」に行き着くんです。

だから僕は、④にいる会社の「現場の外の仕事」を代わりにやる仕事をしています。求人票も、ホームページも、応募者への返信も、面接の日程調整も。社長が現場と経営に集中できれば、⑤への道は開けると思っているからです。

⑤に着いた会社の社長が何をするか。ある社長はこう言っていました。「管理職を2〜3人に増やして、自分は社内管理に専念したい」。

その景色まで、あと一歩の会社がたくさんあります。


NOMADENSEは、建設業専門の「黒子」です。 採用も、HPも、事務も、社長の代わりに実務ごと回します。「うちはいまどの段階なんだろう」と思ったら、お問い合わせからどうぞ。売り込みはしません。状況を伺って、できること・できないことを正直にお返しします。

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