最初は、めんどくさかった。
マーケターとして仕事をしていた自分に、ある日「建設会社の採用を手伝ってほしい」と話が来たとき、率直にそう思いました。採用なんてやったことない。人材業界でもない。なんで自分が?という気持ちです。
でも、引き受けました。断れない事情もあったし、まあやってみるかという軽い気持ちで。
■ 求人票を書き直した日のこと
最初にやったのは、既存の求人票を読むことでした。
「未経験歓迎。アットホームな職場です。賞与あり。各種社会保険完備」
読んで、思いました。これ、どの会社も同じだな、と。
マーケターの目で見ると、求人票は広告です。広告なのに、どれも同じコピーで、同じ構成で、同じ言葉。これはハックされていない市場だと思いました。
改めて取材しました。経営者に話を聞いて、現場の職人さんにも話を聞いて、実際の現場を見て。そうやって集めた話を、ターゲットが読みたくなるような言葉に変えて、求人票を書き直しました。
それから3週間後のことです。
■ その応募があった日
「建設業、やってみたかったんです」
電話越しに聞いたその一言が、今でも耳に残っています。20代の男性でした。未経験で、異業種から応募してきた。「求人票を読んで、この会社なら入ってみたいと思った」と言っていました。
その言葉を聞いて、気持ちが変わりました。
求人票ひとつで、人の人生が動く。書き方次第で、応募が来るかどうかが変わる。それは単純に、人の人生に関わることです。入社した彼がその後どうなるかはわかりませんが、少なくともその「出会い」は、自分が書いた文章から始まった。
めんどくさいと思っていた仕事が、急に重く感じました。
■ 採用はマーケティングと同じだ
今の採用市場を、マーケターの目で見るとこうなります。
求人票は広告コピーです。ペルソナ(誰に届けるか)が曖昧で、ベネフィット(なぜここで働くべきか)が書かれていなくて、CTA(次に何をしてほしいか)も弱い。
「アットホームな職場」は情報ゼロです。読んだ人の頭に何も映像が浮かばない。でも「社員の平均勤続年数は8年。毎週金曜に全員でランチに行く文化があります」なら、具体的に想像できます。
ベネフィットを言葉にすることは、集客でも採用でも変わりません。「なぜここが良いのか」を、読んだ相手が「確かに」と思える形で書く。それだけです。
なのに、採用の世界ではこれができている会社がほとんどない。
■ 自分が何者かという話
マーケティングを全部かじってきました。コピーライティング、広告運用、SNS、SEO、LP制作、インタビュー記事。ひと通り手を動かしてきた、器用貧乏な人間です。
でもその経験が、採用支援では全部使えます。
建設会社、ミシュラン獲得の飲食店、金沢の高級寿司店。業種はバラバラですが、「人を集める」という課題は同じです。どの現場に入っても、マーケの視点で問題を整理して、言葉を変えて、人が動く仕組みを作る。それが今の自分の仕事です。
■ noteをはじめる理由
採用市場は、変えられると思っています。
求人票の書き方ひとつで、中小企業でも良い人材と出会える。採用サイトと広告の設計次第で、大手に勝てる場所がある。それを知っている人間が、まだほとんどいない。
このnoteでは、自分が現場でやってきたことをそのまま書きます。きれいにまとめた理論より、実際に起きたこと、試してみて変わったこと、失敗したことを。
採用に悩んでいる中小企業の経営者や、採用担当の方に読んでほしいと思っています。
読んで「ちょっと試してみようかな」と思ってもらえたら、それで十分です。
気になった方はプロフィールからどうぞ。
さいき / 採用支援 × マーケティング